2024年2月~3月のパフォーマンスについて

 直近ビジネスなど多忙が重なり記録がおろそかになっていたものの、年明け以降、以前書いた諸々のフィジカルに関する仮説検証、トレーニングの強化やコントロールの練習といったことは継続的に行っており、引き続き一定以上のパフォーマンスにつながっている。

 試合で何回か連勝したのち、一回のRunner-upを挟んで直近また勝利できたりと、今のところ結果がついてきている状況だ。影響度として大きい順に振り返ると、まずはフィジカルの検証が上手くいっていることと、カイルン等を取り入れた等によるボールコントロールの向上、それらの相乗効果が発揮されているように思う。

 以下書きなぐると、まず体が疲れずに一日中一定以上のパフォーマンスが発揮できている。腰椎と菱形筋の使い方を意識するだけでかなりの効果が見られるといった状況だ。何事も力を十分作用させるためには弛緩と緊張を適切に管理しなければいけない。体も同様である。動きを安定させようとすべてを緊張させても力は発揮できず、逆に力まないようにとすべてを緩めると安定性は失われる。内転筋、腸腰筋、菱形筋の力の向かわせ方だ重要だ。逆にそれら筋肉群に隣接する広背筋、大殿筋、ハムストリング、三角筋僧帽筋といった部分は弛緩させておかないといけない。ただし自分は専門家ではないのでこれはあくまで体感的な話であるが。

 次にコントロール。以前からシュートはほぼ問題ないもののコントロール不備によるポジションミス、セーフティの実施や返しに大きな問題があった。つまりシュート力を十分に活かせない状況を自ら作り出してしまっていたが、これらが改善されることでシュート力をより発揮できるようになり全体的に底上げされたのだと分析する。

 ビリヤードだけでなく、世の中の法則として何事もパフォーマンスは掛け算である。因数分解すると、

パフォーマンス=練習時間量×経験量(知識)×コントロール×シュート

 今の自分に何が足りないのか、どこが最も伸びしろなのか?

 時間は十分かけれてはいる。

 そしてシュートだが、さらに要素分解するとフィジカル出てくる、これは大きく改善できた。とはいえ以前も球はある程度入っていたし伸びしろとしては比較的高くはない印象だ。それに一定以上のプレイヤーであれば入れをミスることは少なく今のレベルではこれ以上大きく差がつきづらい分野ではある。シュート力が大幅に上がった!とかではなくフィジカルの理解が進んだことで以前に比べて圧倒的に安定感が増し、副次的に体や脳が疲れにくくなり、ポジションや組み立てや駆け引きに脳のCPUを割けるようになった、という事だと思う。

 一番大きいのは経験量とコントロールだと思っている。自分の場合はこれら2つがリンクしており、要は手球的球のコントロール力とそれらの経験知識が圧倒的に他の要素に比べて低い状況であるという事だ。ウイイレでいうとパワーや足の速さだけという極めて歪なレーダーチャートであるという認識だ。それらが練習によって改善されたことでパフォーマンスが劇的に上がったと自分なりに解釈している。

パフォーマンス(↑↑)=練習時間量(→)×経験量(知識)(↑)×コントロール(↑)×シュート(↗)

 このような具合だ。とはいえ手球的球のコントロール強化はまだ今月始めたばかりであり、どこまで伸ばせるかは今月来月もっと検証していく必要がある。

意味、ゴール、本質について

 意味、ゴール、本質など、抽象性が高い概念であり、本人の哲学や世の中のとらえ方に大きく影響を与えるような話題はしばしば話に上るものの、純粋にどういったものか腹落ちするまで自分の中で問いを立て言語化させようとする機会は中々ないように思う。要は普段何となく雰囲気で使っているだけではないかという事である。

 これは認識や意識領域のベースフォーマットに近い部分であるので、ビリヤードは勿論のこと仕事や人間関係など、人生のあらゆる在り方や幸不幸に関連する重要な問いであることは間違いない。

 まず「意味」とはなにか?それはゴールにつながると思われる行動の先に目的をみいだす行為。そして「本質」は必ずしも意味を持たず、ただ存在するだけ。ただしどちらも世の中で普遍的なものでは一切なく勿論手に取る事はできない(実態を伴わない)。ごく個人的な認識から生じ続ける刹那的な産物であろうこと。

 人は得てして安心をしたいので、本質に意味を見出そうとしたり、万人が肯定するような目に見える正しさを追い求めたりしがちだが、それは自分が掛けている色眼鏡を実態と信じ込むようなものであり、無いものを追い求める何より辛い人生となりがちだ。

 本質に近づく方法として大事なのはそれ自体を意味づけして理解しようとすることではない。そうではなく中心へと向かおうとするその体験、突き詰めようとする行為自体が本質だったという事に気づくことである。

 理解や評価は必要はなく永続的でなくてもいい。あらゆる関係性から切り離されて行為を突き動かす、ただひたすらに形を変えて浮かび続ける何か。それが本質の正体であり、世界の中でこの瞬間のただ一人の自分だけが持つべき哲学だと信じている。

 それらはあらゆる形に変わり浮かび続ける。しかし同時に山のように動かされる事はない。

なぜキューの軌道がずれるのか、真っすぐ撞くとはどういうことなのか

 日頃から敬愛するインフルエンサーであるSSOP教授。掲題について非常に体系立てて解説しているので備忘録的に載せておく。やはりこういった技術的な情報に関しては海外の情報にアクセスするかどうかがかなりの肝となるであろう。手前味噌ではあるがこれまで自分で試行錯誤してひねり出せているポイントとかなり近い内容が解説されており、思わず膝を打った次第。

 壮大なオープニングミュージックをバックにした、ワールドクラスプレーヤー達の至高のスーパーショットの競演。そして突如自宅の映像に切り替わり己のplayの直後に構えを崩さず顔を上げて一言。これ以上なく濃縮され純粋で至高でプールプレイヤーであれば永遠のテーマをサラッとワンフレーズで表現する教授。笑

How do the pros shoot so straight? And can you learn the secrets?

 もやは"Yes"と答えることしか許されない圧倒的なパワーワードではあるが、自分も含め数多シリアスプレイヤーはこの根源的かつ永遠の課題に向き合うために日々様々なものを犠牲にしながら練習を繰り返しているといっても過言ではないだろう。適切な知識やテクニックがある前提であれば、この"Shoot straight"が常にできていれば理論上勝率は100%なのだから。

Are you ready for straight stroke JEDI training? I will layout the key elements of what makes DEADLY and NATURALLY straight stroke including some insights you haven'e seen befor.

 教授が断言するように、紹介されている内容は自分から見て相当レベルが高く正確な内容と感じる。

  • Straight Shooting
  • Optimal Technique
    • Aligment 
    • Efficiency
  • Training Tips

 自分も常に考えている解剖学的な観点、インプットやアウトプットの概念、脳の処理、再現性とは、等、非常に示唆に富んだ内容になっている。

"How to Shoot Straight - The Magic Feeling of an Effortless Pool Shot"

www.youtube.com

スタンディングポジションの修正とカイルン練習実施について

 以前ブリッジハンドを利き目側(右手右目利きなのでより右側)に置く様にしたらよかったと書いたが、そもそものスタンディングポジションを左めに立つ事で結果的にブリッジハンドがより右にアライメントできるのではとの仮説。

 検証した所、概ね仮説は正しそうだ。さらにコジりが少なくなったと同時に菱形筋がより効果的に使えている(筋肉を絞れるマージンが増えた)感覚であった。継続的に検証を進めていく。

 カイルンは3時間ほど行った。コントロールそのものもそうだが、初心者なので定石や戦略といったイメージそのものが思いつかず非常にもどかしい。球を始めたての時はこの様な感覚だったのだろう。

 この様な時はYouTubeだ、と台湾プレイヤーのカイルンを視聴。とりあえず呂輝展の動画が目についたので見てみると脱帽というかその芸術性に感動した。まさに自分の手球先球のコントロールの課題に対する一つの完成形がそこにあった。

 また新たなチャレンジが見つかったことに感謝すると共に、マスターするべく明日から精進しようと思う。

最近の勝因についての分析

ここのところ連勝できているはいるものの、分析してみるとポジティブと同時に課題も多いことが分かる。

  • フィジカル
    • ポジ
      • 全般的なトレーニングに加え、プレイに必要な筋肉群の維持向上ができている。
      • コリや疲れがたまりづらく、概ねプレイが安定できている。
      • 副次的にプレイのスピードが上がり楽ができることで、スタミナが温存できている。
      • こじり(フック)のメカニズムが理解でき具体的に対策した結果、ほぼ出なくなった。また、たまに力んだ時でフックしたときに感知でき、客観的な映像として体がどうなっていたかイメージできるようになった。
    • ネガ
      • ランニングなど有酸素系の運動の効果はどうなのか検証できていない。
      • まだまだ体を絞れる余地はある。
      • 理想的な体の使い方からはまだ遠い状況(到達点のイメージは?)
  • エイミング、ショットメイキング
    • ポジ
      • 目のインプット(エイミング)と、フィジカルのアウトプットが一致してきておりプレイの信頼感が増した。
      • フィジカルが安定してきているお陰で、ショットはほぼ外さなくなった(外した時の理由が論理的に理解できることも含めて)
      • 球に対して無駄なベクトルがかかっていないため、ショットメイキングが楽。
    • ネガ
      • ここに関しては今のところなし。
  • コントロール
    • ポジ
      • フィジカルとショットメイキングでも書いたが、目(インプット)とフィジカル(アウトプット)間のコネクションの信頼感が増した結果、実現したい球の動きに対して、以前よりキューのベクトルが最適化されている。
      • バリエーションや精度が上がることでランアウト率が向上した。
    • ネガ
      • コントロール以前に、まだまだイメージ自体を十分できていないラインや取り方がある。
      • まだ大雑把なエリアポジションに終始している。
  • 戦略
    • ポジ
      • セーフティは練習の結果、思い通りになってきている。
      • 守り要素の判断が徐々にできるように。ファールやミスを誘ってしっかり勝ち切れるゲームが増えてきた。
    • ネガ
      • アンドセーフティのシチュエーションなど、攻め or 守りのみの二元論のイメージから十分脱却できていない。
      • ブレイクの実行精度がまだ十分でなく、バリエーションも少ない(9ボール、通常1オンフットで3つ程度)
  • 精神面
    • ポジ
      • ショット精度が上がりプレイの質が上がったため、ゾーンに入れる状況が一気に増えた。
      • プレイへの満足度が高くなってきており、勝敗に関わらず以前よりもやり切った感が継続できるケースが多い。
      • また、途中でネガティブな気持ちにあまりならなくなった。
      • 普通のレベルを上げることが出来た(と感じている)感覚があり、普通にプレイしている状態で勝利できることが増えたため、ゲームを楽しめている。
    • ネガ
      • 以前は全く勝利できなかったため、達成感もあり一定の価値はあると思っているが、最終的に目指したいレベルはもっと上なので、またステージが変わればネガティブな感覚も多くなることが予想される。(スキルの絶対値の問題なのか、勝利に対して求められるレベルに対する自己スキルの相対性の問題なのか、まだ経験できていない。)
      • 次の壁に対しての恐怖感など。
  •  環境
    • ポジ
      • 継続して試合環境、練習環境は持てている。
    • ネガ
      • 特になし。
  • その他
    • ポジ
      • 特になし。
    • ネガ
      • 特になし。

 纏めると、フィジカルの強化と理解によるプレイ精度向上で、ショットメイキングはさることながら、コントロールも同時に底上げできている。またセーフティの知識も多少レベルアップしたため、ぐいぐいとパワープレイで勝ててはいる状況。

 とはいえ、さらにレベルの高い試合においては、ショットメイキングはそもそもミスする人がおらずコントロールも基本は全員できる前提なので差別化になりづらくなってくる。

 よって今の自分の喫緊の課題は、手球的球のコントロール、戦略面をいかに練習でものにできるのかという事だろう。

手球と先球両方のコントロールの鍛え方

 練習の基本メニュー構成は現在のところ、

  • ショットメイキング系
  • ドリル系
  • セーフティ系
  • ジャンプ
  • ブレイク
  • ゴースト(9 or 10ボール)

 をやっているのだが、キャロム系(四つ球、変則四つ球、カイルン)を入れた方が良いと思っている。上記の基本メニューだけだと先球のコントロールと手球に加え、それぞれの球のラインまで複合的に練習する機会が少なくなってしまうからだ。ワンショットで先球手球どちらもコントロールできるようになる、という観点だとどうしても各練習は点であり、立体的な技術向上につなげにくいと感じている。

 先日の試合では連勝という結果にはなったものの、コンビ後のポジションをミスってランが途切れたり、アンドセーフティに行ったものの甘く残って悪戯にセーフティ合戦に持ち込まれたり、と細かいコントロールで損している場面が相変わらず多かったと思っている。

 早速2時間ほどカイルン練習を取り入れた所、特に左記球のコントロールにおいて明らかにコントロールの向上が見られた。1日だけでこれだけ感覚が磨かれるのだから、継続してする価値は十二分にあると思う。引き続きやって行ければと思う。もちろんあとは試合でどれだけ効果を検証できるかである。

具体、抽象、転用とは何で競技にどう応用できるのか

 うまく行った行かない、⚪︎⚪︎すべきすべきでない、普通特殊、好み、こう言った精神活動を一旦置いておき、具体的な事実に落とし込む。

 次いで抽象化する。この時に問いは重要だ。そして抽象化したら類推し転用する。このプロセスを行って仮説を立てたら、また具体から繰り返す。

 多くのケースは具体化の前に感情論でおわっている。だから正のループが発生せずに上達しないのだ。

 一例。負けて悔しい次は頑張るぞ→⚪︎対⚪︎で負けた→あの場面でショットミスした事が敗因だった→似た様なシュチュエーションが以前にもあった→共通の原因はなんだろうか?→全般的によく狙えていないままショットしがちなのでは?→いや、よく狙えていなかったのは丁寧さやルーチンや心持ちといった点以前に目が上手く使えておらず見ている風景を錯覚しているのでは?→もしくは入力は間違っていないが筋肉の使い方が間違っておりファンクションが十分機能していないといった所なのでは?→であれば特定のショットに限った話ではなくそこを修正する事で全般的なパフォーマンス向上に繋がるのでは?→その点ワールドクラスプレイヤーはどうなっているのか?動画だけでなく体系立てている資料や提唱者はどこかにいるのか?…

  負けて悔しい次は頑張るぞ、とか、似た様な所でミスってるからそこをいっぱい練習しないとな!くらいの思考の深度では抽象化の段階が低すぎて箸にも棒にもかからない。上達したいのなら頭を使う事から逃げてはならない。

 己への戒めである。