ブレイクスルーとは何なのか

 ブレイクスルーには何が必要なのか。技術、意識、メンタル、技術、ゴール、KPI、等々、ブレイクスルーそのものを要素分解しようとすることに意識が向きがちだ。

 どれも成分としては間違ってはいないだろうし、シチュエーションによっては正しいだろう。が、本質的性質として何かが存在するためには外部要因や対立概念が必要である。ブレイクスルーに対する、光には闇、自己には他者というような対立概念は何だろうか。それは壁である。壁があるからブレイクスルーが存在できるのであり、逆に言えば壁がないブレイクスルーは存在しない。自分にとってその視点は新しいものであった。なにかを克服したり目指したいのであれば、対象それ自身だけではなく構造をとらえる必要がある。

 可能性が広がる理由は星の数あるが、無くなってしまう理由はただ一つ、自分が諦めて終わらせる現実を確定させた時だけである。逆に言えば確定しない限り無限の可能性はすでに存在し続けるのであり、観測者問題的な本質と軌を一にする。そこに定量的な成績や金銭、技術、感情、ましてや他者評価などが介在する余地は全くなく、0.001%であっても動き続ける限り可能性は0にはならない。

 0になるとしたらそれは自ら辞めた時だけなのだから、結論、壁の構造を脱する唯一の方法は今ここでコントロールできる範囲をアクションし続けるしかなく、目の前のこのアクションがそのままあらゆる可能性に向けてつながっているのではないか。